顎関節症とストレートネック
2018年12月22日
こんにちは!
歯科衛生士の澤田です(^-^)
皆様は顎関節症についてどのようなイメージをお持ちですか?
年を増せばどんどん酷くなり、治らない。そのような難しいイメージをお持ちではないでしょうか。
顎関節症は特に女性に多く、10代から発症し始め、30代前半で男女ともにピークを迎えます。
放置すると様々な症状に発展し、強い悪影響が出ますので、しっかり知り予防改善に努めてゆきましょう。
顎関節症は、近年とても増えている障害の一つで、多くは下記の症状がみられます。
・大きく口をあけると軽く音が鳴る。「コリッ」「ジャリジャリ」「コクッ」など
・口を開いたり噛んだりするときに強い痛みが出る。
・口をあける動作が出来なくなる。または閉じれなくなる。
関節そのものの痛みだけでなく噛む筋肉に疲労がたまり痛みを起こします。そしてこの障害に付随して、肩こり、背中の痛みも引き起こされることが知られています。
さらには頸椎の歪みや頭痛、耳鳴り、目の奥の痛みといった症状に発展することも。症状が軽いうちに改善すことをお勧めいたします。
開口時に音が鳴るのは、顎の関節の中にある軟骨を、下あごの骨が乗り越えるときに起こります。また痛みは関節だけでなく、咬筋といわれる噛む筋肉などが痛い場合も多いです。
顎関節症の原因としては様々なことがあげられます。以前は噛み合せの悪さ≒顎関節症と原因と結果が直結して捉えられていましたが、近年ではむしろそれ以外の様々な原因が重なって症状として現れると考えられています。
例えば噛み合せの悪さに加え、姿勢や生活習慣(口を大きく開ける、固いものを噛む、頬杖をつくなど)、そして歯ぎしりやTCHなどの癖、精神的ストレスによる噛む筋肉の緊張などが積み重なり、許容範囲を超えると症状が発症してゆきます。
TCHとは…
歯列接触癖という上下の歯を “持続的に” 接触させる癖。歯ぎしりほど強く噛みしめたり接触していなくても筋や関節にはストレスはかかっていると考えられているようです。一日に20分弱ほど接触しているのが普通であり、それ以外は上下の歯は離れているのか良いとされています。
もちろん噛み合せの悪さも痛みを引き出す要素の一つです。治療中で片方で噛むことが多い場合には、反対側の筋の緊張は強くなって当然です。
また歯並びの悪さや上下の顎の大きさがもともと違い噛み合せが合わない(不正咬合)ことも挙げられます。
頸のバランスと顎の位置の問題と、左右の歪みの原因となる顎関節の周囲の筋肉の緊張があります。
例えば頸椎が真っ直ぐ(ストレートネック)になっている方の場合、下顎骨(下のあご)が上顎骨(上あご)より後方に引いて噛むことが多く、顎二腹筋、肩甲挙筋が緊張していることが多いです。
そして奥歯で噛むようになります。この場合上下の歯の接触が多くなります。
患者様の中には高い枕がお好きだとおっしゃる方もいらっしゃるのですが、実は高過ぎる枕もストレートネックを引き起こす原因となりますので気を付けましょう!
インフルエンザと口腔ケアの関係
2018年12月19日
こんにちは!
歯科衛生士の澤田です(^-^)
気温が下がり空気が乾燥してきて、インフルエンザの流行する季節がやってきました。
いったん流行すると急速に感染が広がることから、インフルエンザ感染者は例年推定1000万人といわれています。
今年も予防接種を計画していらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
現在、インフルエンザの予防としては、
①十分な睡眠、無理をしない(免疫力の向上)
②人の多いところにいかない(感染の機会を減らす)
③うがい、手洗いの励行(ウイルスを体の中に持ち込まない)
④感染の機会が高い場所でのマスクの着用
などがいわれています。
近頃はこれらに加え口腔のケアも予防に大きな役割を果たすと言われるようになりました。
なぜ、口腔内が清潔になると、インフルエンザ予防になるのでしょうか?
専門的な口腔ケアができていると、口腔内の細菌の数が1桁程度減ることがわかっています。
また、口腔内が清潔になることで、唾液が粘膜を潤し感染予防にもなります。
インフルエンザの場合は、どのように口腔内の細菌の影響を受けているのでしょうか?
インフルエンザウイルスの感染と増殖のしくみを大雑把にみてみると…
インフルエンザウイルスには、その表面に、ヘマグルチニン(赤血球凝集素)とノイラミニダーゼという糖タンパクの突起が出ています。
★ヘマグルチニン★
この突起が、人の細胞の表面にあるシアル酸の糖鎖の部分にくっつくことで、ウイルスが人の細胞に感染することができる。
ヘマグルチニンの構造が、病原性の強弱を決めているとされます。
★ノイラミニダーゼ★
ウイルスが人の細胞内に取り込まれ増殖した後、次の細胞に感染するためシアル酸との結合を断ち切るという役割を持っています。
インフルエンザワクチンは、ヘマグルチニンに特異的に結合するために、人の細胞に結合できなくなることで、感染を予防するものです。
タミフルなどの抗インフルエンザ薬は、ノイラミニダーゼの活性を阻害することで、インフルエンザワクチンが細胞を渡り歩けなくします。
ヘマグルチニンは、実は、細菌の出すプロテアーゼ(タンパク質分解酵素)によって、あらかじめ2股に割れることで、(開裂)、細胞膜をこじ開けます。
そのことにより、インフルエンザウイルスが細胞の中に侵入する事ができます。
このように口腔内や呼吸器に常在しているブドウ球菌など放出するプロテアーゼの存在が、このヘマグルチニンの開裂にかかわっています。
当然、専門的な口腔ケアが行われていると、1桁ぐらいは細菌の数が減りますので、清潔な口腔内であればあるほど細菌から出されるプロテアーゼの量が減り、ヘマグルチニンの開裂が起こりにくくなりインフルエンザの感染予防になるとされています。
ちなみに、弱毒性のインフルエンザは、ヘマグルチニンの構造が、口腔、呼吸器などの細菌由来のプロテアーゼなどだけで開裂が起こるもので、局所的な感染ですむことが多いようです。
強毒性のものは、全身に存在するいくつかのプロテアーゼでヘマグルチニンの開裂が起こるため、感染力が全身に広がりやすく致死率が高くなります。
★歯周病菌はインフルエンザ感染を重症化させます★
歯周病菌はインフルエンザウイルスを粘膜に侵入しやすくする酵素(プロテアーゼやノイラミニダーゼ)を出します。
また、歯周病菌由来の酵素は抗ウイルス薬で抑制できないため、口腔内を不潔にしておくとインフルエンザ感染を助長します。
特に免疫力の弱い高齢者は、インフルエンザが重症化する可能性があります。
今年はインフルエンザの新たな予防法として口腔ケアについても実践してみてはいかがでしょうか(^ー^)
京都に行ってまいりました。
2018年12月13日
こんにちは!
歯科衛生士の澤田です(^-^)/
いよいよ寒さが本格的になって参りましたが、皆さまお元気にお過ごしでいらっしゃいますか?
私は12月に入り2週連続で京都に行って参りました。
一週目は今年大政奉還150周年で話題の二条城で開催された『秋季特別ライトアップ FLOWERS BY NAKED 2018 −京都・二条城−』です。
二条城の城内へ入り、始めに現れる重要文化財・唐門の様々な色に移り変わる圧巻のプロジェクションマッピングには暫し釘付けに。
そこから清流園の見事なお庭~紅葉のもみじのライトアップを通り抜け、イベント会場になっている重要文化財・台所へ。
中に入ると素敵な香りで満たされていて、コスモスやタンポポに息を吹きかけると無数の花びらや綿毛が舞う等々の仕掛けは視覚だけでなく嗅覚も聴覚も刺激される初めての体験で楽しめました。
華道家元池坊とコラボの
“秋の嵐気”をイメージした、いけばなと風、映像、ライトアップを組み合わせた壮大な作品もとても印象付けでした。
(制限があるので)ここに載せきれないくらい素敵な写真と動画が撮れました。
次の機会にも是非訪れてみたいと思います。
2週目は京都駅から一駅の丹波口で開催去れた『京都ステップアップ講演会』に参加して参りました。
講師の長谷川 嘉昭 先生は、
東京都中央区で開業されている歯周病治療ではかなり有名な先生です。
講演内容
以下、引用です。
伝えたいことはただ一つ「明視化」です。
情報を共有し治療結果を数値化すること! これに尽きます。
では、どうするのか? 臨床検査を導入し、チームでデンタルカンファレンスを行えばいいのです。歯科衛生士は、自ら考え、仮想診断することなのです。
歯科医師は、それを受けとめ自院の歯周基本治療と歯周再生療法の限界をチームとしてシェアすればいいのです。
今の医院の総合力をチームで明視化することで次が見えてきます。
手の届く範囲で目標設定すれば、歯周治療におけるチーム力は必ず上がるものです。
この講演会では、そのHOW TOをわかりやすく解説していきます。
講演のポイント
臨床検査の明視化
デンタルカンファレンス
歯科衛生士の病態をとらえる力を高める
歯周基本治療と歯周再生療法の限界
(GCのサイトより)
セミナーを通して、ずっと携わって来ている歯周病治療ですが、まだまだ学ぶことがあったのだと気付かされました。
ドクターと連携した治療計画の立て方もとても興味深いお話しを伺うことができたので、今後も患者様に還元していけるよう役立てていきたいと思います。
クリスマスのうんちく・・・
2018年12月12日
こんにちは★早いものでもう年末までカウントダウンが始まりましたね💦皆様は体調など崩されていませんか?
さて、年末の前にはクリスマス🎄ということでクリスマスの飾り付け、クリスマスリースについて調べてみました。
クリスマスリースには、大きく分けて3つの代表的な意味があるといわれています。
「魔除け」
クリスマスリースは、一般的に玄関に飾られることが多いです。これは、玄関に飾ることで家の中を守る、という意味があるからなのです。リースには緑色のきれいな葉っぱがついていることが多いですが、この葉っぱがポイントです。冬でも青々と葉を茂らせている常緑樹は、古くから強い生命力の象徴とされてきました。また、葉自体にも殺菌作用や抗菌作用があるため、それらが転じて「災いから家族を守るもの」という意味が生まれたようです。
「豊作祈願」
リースについている飾りに注目したことはありますか?
松ぼっくりやぶどう、リンゴなどの、果実が飾られているところを見たことはないでしょうか。
麦の穂があしらわれているものもありますよね。
それらの作物を模した飾りには、収穫を祈願するという意味があります。
次の収穫期の豊作を願って飾られているのです。
「新年の幸福祈願」
日本ではクリスマスが終わるとすぐにお正月の準備を始めますが、キリスト教圏ではクリスマス=当日だけ、ではありません。
年が明けても、まだクリスマスシーズンは続くのです。
ですから、クリスマスリースも年内だけのものではありません。
新しい年の幸せを祈る、日本のしめ縄のような役割も持っているのです。
またクリスマスリースはいつまで飾るのかに着いても調べて見ました!
実は、キリスト教圏でもクリスマスリースを飾る期間は、2通り存在しているようです。
1、アドベントの始まり(11/30にもっとも近い日曜日)から公現日(主に1/6)まで
アドベントとは、ドイツ語でクリスマス前の4週間のこと。
イエス・キリストの降誕を待ち望む期間のことです。
その年の11/30にもっとも近い日曜日からクリスマスイブまでのことを指し、その期間中は日曜日がくる毎に、アドベント・リースという壁にかけないリースに蝋燭を1本ずつ立てていきます。
ラテン語で「到来」を意味する「adventus」を語源としており、11/27~12/3までのいずれかの日に始まります。
公現日とは神がイエス・キリストの姿をとって人間の前に姿を現した日と言われています。
教派によって日付が異なりますが、主に1/6を指します。
東ローマ帝国支配域、つまり東方教会ではこの日にキリストの生誕を祝うことが主流であったといいます。
この日までにクリスマスの飾りを片付ける、という人が多いようです。
2、アドベントの始まり(11/30にもっとも近い日曜日)から聖燭祭(2/2)まで
聖燭祭とはイエスが生後40日後に神殿で清められたことを祝する日です。
2/2のことを指し、この日までクリスマスの飾りを残しておく、という教派もあるようです。
聖母マリアの清めとも呼ばれます。
かつてユダヤ教では「赤子は生まれながらにして罪を背負っている」といわれ、赤子は神殿で清められるものでした。
以上のことから、クリスマスの飾りは11月末~2月頭、節分の時期まで飾ってあってもおかしくない、ということがわかります。
教会などは1月でもクリスマスリースを飾っているところが多いですが、決して片付け忘れているわけではない、ということですね。
とはいえ、日本でここまでしている人はめずらしいですよね。
日本であればたいてい、クリスマスが終わればすぐにお正月の準備に入ります。
クリスマスまでは玄関に飾られていたリースが、翌日にはもうしめ縄に替わっていた、なんてこともよくある話です。
クリスマスリースを飾っておく期間として国内でもっとも一般的なのは、12月に入ってから飾り、28日にお正月飾りを出すまでに片付ける、というものでしょう。
宗教的な意味合いが少ない日本国内においては、好きなときに出して好きなときに片付ける、という認識でも問題なさそうですが、意味を知って飾ると毎年みるクリスマスリースも一味違って見えて来ますね。
今年はしめ縄の前におうちにクリスマスリース飾ってみるのはどうでしょうか?