むし歯のなりやすさ➁
2018年09月22日
こんにちは、藤林です。
むし歯の予防についてお話します。
まず、食べ物を食べると、お口の中ではどういう変化が起こるのでしょうか。
ふだん、歯の表面では、歯のミネラルが溶け出す脱灰(歯がとけること)と、ミネラルが歯の中に戻って結晶化する再石灰化(歯を修復する)が繰り返されています。
何も食べていないときの歯の表面は中性ですが、いったん食事や飲み物が入ると、むし歯菌が作り出す酸が増えてお口の中が酸性になり、ミネラルが溶け出してしまいます。
間食が多いと、唾液のミネラルによって再石灰化されたり、中性に戻りきる前に再び酸性に戻されてしまい、歯を修復するタイミングが無くなってしまい、そうすると歯は脱灰方向に傾いてしまうので、やがてむし歯になってしまいます。
よって一日の間食は2回まで(ジュースなどの飲料水を含む)にしましょう。特に運動中のスポーツドリンクや、仕事中の飴やチョコをつまむ、砂糖入りのコーヒーをちびちび飲むなどのながら食べは大変危険です。
それでも甘いもののダラダラ食いがどうしてもやめられない・・・という方に朗報です。それはキシリトールを活用することです。お菓子のダラダラ食いはむし歯のリスクを高めてしまうのですが、キシリトールはダラダラ食いをしてもいいどころか、そうすることで、逆にむし歯のリスクが下がり、予防効果が高まります。
甘いイコールむし歯の原因ではありません。キシリトールと砂糖はほぼ同じ甘さです。由来も天然素材の甘味料なので、安心です。主には白樺の木から作られていますが、イチゴやホウレンソウ、レタスなどにもごく微量ですが含まれています。なぜキシリトールに予防効果があるのでしょうか。それは、むし歯菌がキシリトールを食べても白いネバネバした歯垢(プラーク)も酸も作り出すことができないのです。つまり、むし歯の原因にならないのです。
しかも、むし歯菌はキシリトールを取り込むのに、体内で消化できないため、いわゆる「ふんづまり」になって菌が死んでいきます。
加えて歯垢(プラーク)がはがれやすくなるので、汚れが落としやすくなるという利点もあるのです。
キシリトールを活用すると、合格点をとるための+10点、+20点につながります。
むし歯を予防するのに、それだけで合格点をとれるような魔法の薬はありません。数ある予防法のなかから、その人やその人の状況に応じた方法をいくつか組み合わせる必要があります。
フィンランドではむし歯予防を四つ葉のクローバーに例えています。1枚目の葉が歯垢をとりのぞく歯磨き、2枚目の葉が歯を強くするフッ素、3枚目の葉が間食2回までの正しい食生活、4枚目の葉がむし歯のチェックを含めたメインテナンス、そして茎の部分はキシリトールとなり、4つの歯をよりいきいきさせる役目を持っています。
4つの葉をうまく組み合わせることが大切です。