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フッ化物配合歯磨剤について

2016年02月29日

 

 こんにちは。歯科医師の丸野です。フッ素についてご存知でしょうか。歯科領域でフッ素は歯磨き粉や洗口剤として虫歯予防に用いられています。ホームケアで用いるフッ化物の中で最も一般的なのがフッ化物配合歯磨剤です。今回は虫歯予防のためのフッ化物配合歯磨剤を効果的に用いるための注意点について説明をさせていただきます。

 

 日本においてフッ化物配合歯磨剤の市場シェアは90%と言われています。そのため歯磨き粉の中にフッ化物が含有されていないものもあります。歯磨剤の成分をチェックしてフッ化物配合がなされているかを確認することが必要です。

 

 フッ化物配合歯磨剤は1日に何回使えばよいでしょうか。アイルランドの研究結果におきましては、1日に2回以上歯を磨く方は虫歯予防効果が高い傾向にあると報告されています。そのため、1日に2回以上、歯磨きのたびにフッ化物配合歯磨剤を使い、中でも就寝前の使用が重要です。就寝中は口腔内の唾液の分泌(唾液には歯の表面を保護する成分があります)が大きく低下するため、就寝前に歯磨剤を用いてブラッシングするじょとで、歯の汚れを落とすだけでなく、歯の表面を細菌から守ることができるのです。

 

フッ化物配合歯磨剤で磨いた後のうがいについてですが、回数と水の量は少なめの方がよいです。フッ化物配合歯磨剤から微量のフッ化物が口腔内に残ることでう蝕予防効果が高まります。そのため、うがいの回数は1、2回と少なめにし、歯磨剤と洗口水が口の隅々に行き渡るようブクブクうがいをするのが良でしょう。

 

 以上がご自宅でのフッ化物を用いたホームケアの注意点です。何か疑問点がございましたらスタッフまでお声がけください。

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歯磨きのタイミングについて

2016年02月22日

こんにちは。

歯科医師の新井です。

 

今回は歯磨きのタイミングについてお話させていただきます。

みなさんもついついだらだらぐいをしていないでしょうか。食事や間食を摂る回数が多ければ多いほど、お口の中が酸性になる時間も増えてしまいます。

そうなると虫歯になるリスクが高くなります。

食後のお口の中の酸性度合いをグラフ化したものに、ステファンカーブというものがあります。ステファンカーブとは、歯垢の中のpH濃度を飲食後から測定していったものをいいます。

もともとお口の中はpH6.8でほぼ中性の状態を保っています。しかし飲食を行うと、虫歯菌の出す酸により、お口の中のpHが酸性に傾いてしまいます。

これが元の中性に戻るまでに要する時間を表した曲線がステファンカーブです。

 

つまり、回数を決めて食事をする方が良いということです!

 

また、食事を終えてすぐの状態で歯を磨くと、歯の表面が削れてしまう可能性があります。

たまに歯の着色汚れが取れるからという理由でレモン汁を歯ブラシにつけて磨く方も見かけますが、それは歯の脱灰を促進して積極的に歯を酸蝕症にしているような状態です。

 

 

また、歯磨き剤の中に研磨剤が含まれている場合や、ブラッシング圧が強い人が食後すぐに歯磨きをすると同じように、酸蝕症のリスクをあげることになります。

 

 

つまり、このステファンカーブに基づくと

『食後30分~1時間空けてから』

の歯磨きが一番ベストなタイミングとなります。

 

 

ちなみに酸性に傾きにくい飲み物はお茶や水、牛乳などです。

 

 

なるべく決まった食事の時間・回数にして、歯の再石灰化を促しましょう!

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根面う蝕について

2016年02月15日

こんにちは!藤林です。

今日は根面う蝕について書かせて頂きます。

むし歯はできる箇所によって分類することができます。

根面う蝕とは、歯の根の表面にできるむし歯のことです。

若い人なら歯の根は見えていませんから、歯茎のさがった高齢者に特有のむし歯です。

 

特徴は、自覚症状がなく進むことが多く、気づいたときには神経を抜かないといけなかったり、ときには抜歯にもなる場合もあります。(高齢者になるに従って、歯髄腔とよばれる神経の部屋が狭まりますので、鈍感になって、痛みを感じずにむし歯がすすんでしまうのです)

歯茎の下でむし歯がすすむことがあるので、発見が遅れたり、治療が難しいのもこのむし歯の特徴です。

 

普通の虫歯は小さければ再石灰化といって、自然治癒力に期待できますが、根面う蝕ではそれがないといわれています。

なんと怖いむし歯でしょうか。。

今後、この根面う蝕は増えてくるといわれています。それは、高齢者の増加とともに、比較的歯の残っている人も増えてくるため、必然的に根面う蝕になるリスクは上がってしまいます。

 

なぜ歯の根が侵されやすいのでしょうか。それは高齢者の特徴とも関係があります。

高齢者になると、唾液の分泌がすくなくなる。また、薬を飲む種類が増え、場合によって薬の副作用に唾液がでにくくなるものがある。(唾液が出るかどうかは、自浄作用に関わります)

他に身体能力の低下や、食生活の変化、歯周病、入れ歯やかぶせなどが入っている歯が多くなり磨きにくくなることがあげられます。

 

予防にはご自身のブラッシングはもちろん、定期検診とフッ素塗布、保険外のPMTCが有効です。

私も将来、この根面う蝕は手強いだろうな~と感じているので、しっかり予防していきたいと思います!

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歯周病の知識と治療法

2016年02月8日

自分自身で歯周病であると自覚している人は以外と少ないのではないでしょうか。

歯周病は歯の周りの組織が破壊されていく病気で、歯を失う原因としては第一位です。

しかし、歯周病は適切な治療を行うことで進行を抑えることが出来る病気でもあります。初期のうちに治療やメンテナンスを受けていれば、年をとっても自分の歯でおいしく食事ができる可能性が高くなります。

今回は歯周病の知識と最新の治療法をお伝えします。

歯周病の知識
1.多くの人がかかっています
日本人の成人の80%がかっている病気で、国民の最も多くの人がかかっている病気でもあります。歯周病とはプラークといわれる取り残した細菌によって歯の周りの骨が溶け、歯が揺れたり、歯肉が腫れたりして、最終的には歯が抜けてしまう病気です。初めの段階では症状が無い為に’気づかないうちに進行してしまいます。

2.体の免疫力に関係しています
若い時は免疫力が高いためにプラークが歯肉から侵入してきても、歯茎が腫れる程度(歯肉炎)です。プラークが多すぎたり年齢とともに免疫力が衰えたりするとプラークの侵入をゆるし骨まで溶けていきます。これが歯周病です。免疫力が下がった分は歯ブラシやメンテナンスで体の抵抗力を助けてあげる必要があります。

3.正しい知識を持つことが大切です
歯周病によって溶かされた骨は外科的な処置をしてもなかなか回復させることが難しいです。また、回復させることができない場合もあります。永久歯が生えてから始まる歯周病に対してどうすれば歯周病にならないか、進行を止めることができるのかの知識を持ち、実行できれば歯周病に悩まされなくて済みます。

4.ご自分の努力が必要です
歯周病はプラークとの戦いであり、みなさんは毎日、細菌と戦っています。誰かが毎日、歯を磨いてくれることはなく、自分で磨かなければ病気は進行してしまいます。一時的には歯医者で磨いてもらったり、歯石を取ったりして、良くはなりますがすぐに元に戻ってしまいます。歯がある限りこの戦いは続いて、諦めたり手を抜いたりすると負けて歯をどんどん失ってしまい最後は総入れ歯になり終わります。

5.歯周病治療の3つの柱
①歯周基本治療
歯周病の原因であるプラークを取ることをメインにしている治療です。自分でプラークを取る方法を習得したり歯石を取ってプラークを取りやすい環境にしたりすることを目指しています。基本治療ができていなければ歯周病はよくなりません。初期から中等度の進行であればこれだけで治ることもあります。
②歯周外科治療
細菌が深くまで進行し基本治療で取りきれない歯石や歯周病で溶けて凸凹になった骨の形を整えプラークコントロールがしやすい形にします。重度に進行している方に行うことが多く、初期治療終了後、必要な方のみ行います。
③メンテナンス
歯周病は治療をしたからと言って治って悪くならないわけではありません。治療後進行しないように維持していかなければいけません。メンテナンスは改善したお口の中の状態を、悪化させないように患者さんと医院のとが協力して維持していく治療です。全ての人に必要です。

歯周基本治療の実際

1.歯周病治療の90%はプラークコントロール
プラークコントロールとは歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどを使ってプラーク(歯垢)を除去することです。プラークコントロールを完璧に行うことができれば治療の90%は終了です。なぜなら歯周病の原因であるプラークは毎日お口の中に発生し、それを毎日取り続けなくては歯周病の進行を止めることはできないのです。いくら高額な治療や痛いのを我慢して治療をしても毎日のプラークコントロールができなければ全て無になってしまいます。

2.スケーリング
スケーリングとは歯の周りについた歯石を取り除くことです。歯石はプラークと唾液によって作られ、ザラザラとし軽石のように小さな穴が開いていて、細菌が繁殖しやすくなっています。歯石はできてしまうと自分の歯磨きなどでは取れないので、歯石ごと細菌を取る必要があります。歯石は超音波の振動を与えて砕いて取ったり、手でかぎとったりします。

3.歯周外科治療
深い歯周ポケッがある場合には、奥まで歯石がついてしまい直接見ることができないため、歯石を取りきることが難しくなります。全ての歯石を取るために、麻酔をして歯茎を開いて歯石が見える状態にして取り除いていく方法が歯周外科治療です。歯の根は複雑な形をしており歯石を取り残さないために行います。また、同時に歯茎の中の骨の形を整えることによって歯周ポケットを浅くする方法も行います。

4.メンテナンス
メンテナンスとは歯周病の治療が終了した後に、健康な状態を維持していくための定期的な治療のことです。メンテナンスではご自身で行っているプラークコントロールができているかチェックをして、落とし切れていないプラークや新たについてしまった歯石を機械的に洗浄します。メンテナンスを行わないとせっかく行った歯石除去や、痛い思いをして行った外科処置も報われず再発してしまいます。毎日のプラークコントロールと、定期的なメンテナンスを行わなければ口の中の健康を維持することは出来ないのです。自分の状態にあったメンテナンスの間隔で行ってください。

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歯周病と糖尿病について★

2016年02月1日

 こんにちは。歯科医師の丸野です。

糖尿病と歯周病に密接な関係があるのをご存知でしょうか。今回は歯周病と糖尿病についてのお話をさせていただきます。

 

 糖尿病と歯周病は共に代表的な生活習慣病で、主に食生活や喫煙に関与します。糖尿病は喫煙と並んで歯周病の二大危険因子であり、一方歯周病は三大合併症といわれる腎症・網膜症・神経症に次いで第6番目の糖尿病合併症でもあり、両者は密接な相互関係にあります。

慢性炎症としての歯周炎をコントロールすることで、糖尿病のコントロール状態が改善する可能性が示唆されています。

 

 歯周病関連細菌から出される内毒素が歯肉から血管内に入り込み、マクロファージからの腫瘍壊死因子の産生を促進します。その結果TNF-αの亢進が血糖値を下げる働きをもつホルモンであるインスリンをつくりにくくします。慢性炎症としての歯周炎の存在により血糖値は上昇し、糖尿病のコントロールをますます困難にし、同時に歯周炎も進行していくという悪循環に陥ります。インスリン抵抗性に対して、身体はより多くのインスリンを産生しようとしますが、高インスリン血症が長く続くと、インスリン産生細胞である膵β細胞が疲労困憊し、末期の糖尿病となります。

 また、慢性炎症としての歯周炎に対する適切な治療により、糖尿病のコントロール状態をあらわず糖化ヘモグロビン(HbA1C)の改善がみられることが明らかになってきました。その機序として、歯周病治療によって歯周炎に起因するTNF-α産生量が低下するため、インスリン抵抗性が改善し血糖コントロールが好転すると考えられています。

 以上のように、糖尿病管理の一環として、歯周病を厳格に管理することが重要です。また歯周病も慢性疾患であり、完治がほぼ望めない疾患であるため、継続管理がより大切となります。

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