知覚過敏の治療と予防について
2017年09月30日
こんにちは。歯科医師の新井です。
今回はお話しします。
知覚過敏の治療と予防
知覚過敏を起こしたら、痛みは一時的なものですが、刺激を受けるたびに痛みを伴うようになります。一度壊されてしまったエナメル質や歯周組織は、自然には治りません。
もし、「知覚過敏かな?」と思ったら、まずは早めに歯科医院に行きましょう!知覚過敏の治療については、一番多いのが以下の治療法です。
フッ化物配合薬を定期的に塗布し、歯の再石灰化を促進。
歯科用セメントなどで物理的に保護。
また最新の治療法として、レーザーを使用した治療を行う歯科医院もあります。これは、露出した象牙質にレーザーを当て、象牙細管へ刺激が伝わらないようにする方法です。
この治療法は早期治癒が期待できますが、残念ながら保険が適用されません。
また、専門の医療機材が必要になりますので、歯科医院によっては行っていない医院もあります。レーザー治療を希望される場合には、事前に歯科医院に問いあわせて下さい。
知覚過敏の予防については、代表的なものは以下になります。
痛みの予防として、知覚過敏用のしみない歯みがき粉を使用して歯磨きを実施。
歯ぎしりが原因の場合、マウスガードを着けて就寝。
歯周病が原因の場合も併せて、正しいブラッシング法の指導を受ける
まとめ
知覚過は、一時的な痛みが多いため、治療しない方が多いのですが、果たしてそれで良いのでしょうか?
知覚過敏は虫歯と異なり、継続的な痛みではないため、軽く見られがちです。しかし、知覚過敏を放置すると深刻なケースに陥ることもあることを知っておいて下さい。
糖尿病と歯周病の関係
2017年09月27日
こんにちは。歯科医師の新井です。
糖尿病と歯周病の関係についてご存じでしょうか?
一見何の関係もないように見える2つの疾患には、密接な関係があるのです。
歯周病は糖尿病の「第6の合併症」と言われており、糖尿病患者が歯周病を発症するケースが非常に多いことが分かっています。
さらに、最近の研究結果により、歯周病も糖尿病に影響を及ぼすと考えられるようになってきたのです。
糖尿病と歯周病の関係を知り、どちらの疾患も予防するためにはどうしたらよいのか考えてみましょう。
歯周病と糖尿病の関係
歯周病と糖尿病にはどのような関係があるのでしょうか。
糖尿病と歯周病は、まったく別の病気というイメージが強いでしょう。
しかし、以前から歯周病は糖尿病の合併症の1つであると言われてきたのです。
実際に、糖尿病の人が歯周病である確率は、通常の人に比べて約2倍というデータがあります。
また、糖尿病患者は歯周病が重症化しやすい傾向があり、糖尿病の罹患(りかん)期間が長いほど歯周病の罹患(りかん)率が高いことも分かっているのです。
歯周病と糖尿病の関係については、まだはっきりと分かっていません。
しかし、相関関係があることは確かなのです。
歯周病が進行した人ほど、血糖値が悪いと言われています。
そして、その状態が歯周病菌を増やす原因になっているのです。
たとえば、高血糖の状態だと浸透圧の関係で尿が多く出るため、体内の水分が減少して喉や口が渇きやすくなります。
口の中が乾燥すると、歯周病の原因となる菌が繁殖しやすくなるのです。
また、高血糖の人は最近に抵抗する力が弱まっていることで感染症になりやすいという考え方もあるでしょう。
組織を修復する働きが低下するため、糖尿病の人は歯周病の進行が早くなると考えられているのです。
一見まったく関係のなさそうなこの2つの病気。
共通するのは、どちらも「生活習慣病」であるということでしょう。
つまり、糖尿病も歯周病も、生活習慣が原因で発病する可能性が高いのです。
糖尿病を起こしやすくする運動不足やバランスの悪い食生活、精神的ストレスなどの生活習慣は、歯周病を起こしやすくする生活習慣でもあります。
糖尿病患者が歯周病になりやすいことは分かりました。
では、歯周病の人が糖尿病になりやすい理由とはどのようなものなのでしょうか。
歯周病は慢性感染症であり、治療を継続しないと最近の活動を封じることができません。
このような時、人間の体はさまざまなサイトカインを分泌し、細菌やウイルスに対抗しようとするのです。
サイトカインは、血糖値を下げるためのホルモンである「インスリン」の働きを阻害します。
そのため、血糖値はいつもより上昇するのです。
健康な人であれば、すぐにすい臓からインスリンが分泌されるため、血糖値が高くなりすぎることはありません。
しかし、糖尿病の人は血糖コントロールが乱れる大きな原因になってしまうのです。
歯周病が進行して歯を失うことになると、固いものを食べることができなくなります。
普段の食事が柔らかい食べ物中心になるでしょう。
また、よく噛(か)まずに飲み込んでしまうようになります。
このような食生活では、食後に血糖値が急激に上昇することが多いのです。
歯周病について
2017年09月22日
こんにちは。歯科医師の新井です。
歯周病を発病しないためには、早めに症状を改善する必要があります。
歯周病の診断を受けたらまず、以下のことに気をつけましょう。
1.ブラッシングを見直す
歯周病は、いかに進行を止めるかが重要なポイントになります。
もちろん、歯科医院に通い、歯ブラシでとることのできない歯石を専用の器具でとり除いてもらう必要があるでしょう。
そのほかにも、日常的に歯磨きを見直し、しっかりとプラークコントロールすることが大変重要なのです。
歯周病の悪化を防ぐためには、いくつかブラッシングのポイントがあります。
まず、適正な歯ブラシを選ぶこと。
柔らかすぎるとかえって歯垢(しこう)を落としにくくなるため、適度な柔らかさのものを使用しましょう。
大きすぎず、毛先が広がっていな歯ブラシを選ぶようにしてください。
ブラッシングの際は、歯周ポケットの中までブラシが入るイメージで磨きましょう。
歯ブラシの毛先を、歯面に対して45度に傾けて磨くとうまくいきます。
歯を1つずつ磨くつもりで、歯ブラシを小刻みに動かしましょう。
往復20回を心がけてください。
歯ブラシでとりきれない汚れは、歯間ブラシやデンタルフロスを使うとよいでしょう。
2.生活習慣を見直す
歯周病の悪化を防ぐために、自分でできることはほかにもあります。
ブラッシングの見直しとともに、生活習慣についても見直してみましょう。
まずは、食生活です。
歯垢(しこう)のつきやすい甘いもの、柔らかいものの過剰摂取は避けるようにしましょう。
特に、夜寝る前に甘いものを食べたり飲んだりするのはやめてください。
また、喫煙は歯周病の進行を急速にすすめる原因になります。
なるべく控えるようにし、できれば禁煙しましょう。
口呼吸や食いしばりも、歯周病の悪化につながります。
就寝中に口呼吸になっていたり歯ぎしりをしたりしている人は、歯科医院や耳鼻咽喉科に相談するとよいでしょう。
またそもそも歯周病を予防するのが大切です。
一番よいのは、歯周病にならないように普段から予防に努めることです。
歯周病を予防するためにはどうしたらよいのでしょうか。
基本は毎日の歯磨きです。
歯周病を予防するためには、毎日しっかりと歯を磨いて歯垢(しこう)を取り除くことが大切です。
夜寝る前には、時間をかけてていねいに歯を磨くようにしましょう。
歯垢(しこう)は歯周病菌の温床になります。
また、定期的に歯科医院で歯のクリーニングを受けるのがおすすめです。
また、ストレスをためないことも大切です。
丈夫な歯を育むためには、栄養バランスのとれた食事も必要不可欠でしょう。
不足しがちなビタミンやミネラルを意識して摂取し、よく噛(か)んで食べることを意識してください。
また、ストレスは歯周病の発症や悪化の原因になります。
普段からストレスがたまりやすい人は、趣味や運動で発散するように心がけましょう。
ゆっくりお風呂に入ってリラックスするのもおすすめです。
もちろん、睡眠不足もストレスにつながります。
質のよい睡眠を心がけ、心身ともに十分休めてあげるようにしましょう。