歯周病の知識と治療法
2016年02月8日
自分自身で歯周病であると自覚している人は以外と少ないのではないでしょうか。
歯周病は歯の周りの組織が破壊されていく病気で、歯を失う原因としては第一位です。
しかし、歯周病は適切な治療を行うことで進行を抑えることが出来る病気でもあります。初期のうちに治療やメンテナンスを受けていれば、年をとっても自分の歯でおいしく食事ができる可能性が高くなります。
今回は歯周病の知識と最新の治療法をお伝えします。
歯周病の知識
1.多くの人がかかっています
日本人の成人の80%がかっている病気で、国民の最も多くの人がかかっている病気でもあります。歯周病とはプラークといわれる取り残した細菌によって歯の周りの骨が溶け、歯が揺れたり、歯肉が腫れたりして、最終的には歯が抜けてしまう病気です。初めの段階では症状が無い為に’気づかないうちに進行してしまいます。
2.体の免疫力に関係しています
若い時は免疫力が高いためにプラークが歯肉から侵入してきても、歯茎が腫れる程度(歯肉炎)です。プラークが多すぎたり年齢とともに免疫力が衰えたりするとプラークの侵入をゆるし骨まで溶けていきます。これが歯周病です。免疫力が下がった分は歯ブラシやメンテナンスで体の抵抗力を助けてあげる必要があります。
3.正しい知識を持つことが大切です
歯周病によって溶かされた骨は外科的な処置をしてもなかなか回復させることが難しいです。また、回復させることができない場合もあります。永久歯が生えてから始まる歯周病に対してどうすれば歯周病にならないか、進行を止めることができるのかの知識を持ち、実行できれば歯周病に悩まされなくて済みます。
4.ご自分の努力が必要です
歯周病はプラークとの戦いであり、みなさんは毎日、細菌と戦っています。誰かが毎日、歯を磨いてくれることはなく、自分で磨かなければ病気は進行してしまいます。一時的には歯医者で磨いてもらったり、歯石を取ったりして、良くはなりますがすぐに元に戻ってしまいます。歯がある限りこの戦いは続いて、諦めたり手を抜いたりすると負けて歯をどんどん失ってしまい最後は総入れ歯になり終わります。
5.歯周病治療の3つの柱
①歯周基本治療
歯周病の原因であるプラークを取ることをメインにしている治療です。自分でプラークを取る方法を習得したり歯石を取ってプラークを取りやすい環境にしたりすることを目指しています。基本治療ができていなければ歯周病はよくなりません。初期から中等度の進行であればこれだけで治ることもあります。
②歯周外科治療
細菌が深くまで進行し基本治療で取りきれない歯石や歯周病で溶けて凸凹になった骨の形を整えプラークコントロールがしやすい形にします。重度に進行している方に行うことが多く、初期治療終了後、必要な方のみ行います。
③メンテナンス
歯周病は治療をしたからと言って治って悪くならないわけではありません。治療後進行しないように維持していかなければいけません。メンテナンスは改善したお口の中の状態を、悪化させないように患者さんと医院のとが協力して維持していく治療です。全ての人に必要です。
歯周基本治療の実際
1.歯周病治療の90%はプラークコントロール
プラークコントロールとは歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどを使ってプラーク(歯垢)を除去することです。プラークコントロールを完璧に行うことができれば治療の90%は終了です。なぜなら歯周病の原因であるプラークは毎日お口の中に発生し、それを毎日取り続けなくては歯周病の進行を止めることはできないのです。いくら高額な治療や痛いのを我慢して治療をしても毎日のプラークコントロールができなければ全て無になってしまいます。
2.スケーリング
スケーリングとは歯の周りについた歯石を取り除くことです。歯石はプラークと唾液によって作られ、ザラザラとし軽石のように小さな穴が開いていて、細菌が繁殖しやすくなっています。歯石はできてしまうと自分の歯磨きなどでは取れないので、歯石ごと細菌を取る必要があります。歯石は超音波の振動を与えて砕いて取ったり、手でかぎとったりします。
3.歯周外科治療
深い歯周ポケッがある場合には、奥まで歯石がついてしまい直接見ることができないため、歯石を取りきることが難しくなります。全ての歯石を取るために、麻酔をして歯茎を開いて歯石が見える状態にして取り除いていく方法が歯周外科治療です。歯の根は複雑な形をしており歯石を取り残さないために行います。また、同時に歯茎の中の骨の形を整えることによって歯周ポケットを浅くする方法も行います。
4.メンテナンス
メンテナンスとは歯周病の治療が終了した後に、健康な状態を維持していくための定期的な治療のことです。メンテナンスではご自身で行っているプラークコントロールができているかチェックをして、落とし切れていないプラークや新たについてしまった歯石を機械的に洗浄します。メンテナンスを行わないとせっかく行った歯石除去や、痛い思いをして行った外科処置も報われず再発してしまいます。毎日のプラークコントロールと、定期的なメンテナンスを行わなければ口の中の健康を維持することは出来ないのです。自分の状態にあったメンテナンスの間隔で行ってください。




