ドクターブログ|いちき歯科|南森町駅・大阪天満宮駅すぐの歯医者

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8020運動について

2016年04月4日

生涯自分の歯で食べたいと多くの人が望んでいます。8020運動は80歳で20本以上の歯を残し、健康的な生活を維持してもらおうという日本歯科医師会が取り組んでいる活動です。

8020運動を達成することは本人の健康や寿命だけでなく、医療費や介護費用の削減にも貢献します。今回は8020運動を達成するために今からやるべきことをお伝えします。

1.8020達成率

1989年の運動開始当初は8020運動の達成率は7%程度でした。当時の80歳で、残っている歯の本数の平均は4、5本でした。

2005年には、80歳~84歳の8020達成率は21.1%、2011年には38.3%で徐々に伸びてきております。残っている歯の本数も12,3本になってきました。

2.8020運動を達成するために今からやるべき5つのこと

2−1.歯間部の清掃の習慣をつけること

虫歯や歯周病のほとんどは歯と歯の間から始まります。普通の歯ブラシだけでは取り残してしまいやすいので、デンタルフロスや歯間ブラシを使うことをお勧めします。

2−2.虫歯や歯周病のリスクを知っておくこと

虫歯や歯周病のなりやすさは人それぞれ違います。すぐに虫歯になってしまう人や歯周ポエットが深い人などは、他人と比較してより注意が必要です。

また、病気や年齢によってもリスクは変化します。自分の口の中にどれぐらいのリスクが存在するか理解し、それに対応した予防法を行うことが8020運動を達成するために大切です。

2−3.唾液が出るように心がける

唾液には歯や歯茎を守る多くの成分が含まれています。よく噛んで食べること、よく話すこと、口の周りのトレーニングをすることなどで多くの唾液が出ます。

加齢や薬により唾液の量が少なくなると、急に虫歯が増えます。また、人との接触がなくなると歯磨きや会話がおろそかになり歯が悪くなる方が多くいます。

唾液は歯や歯茎にとってとても重要なものなのです。

2−4.歯科で定期的にメンテナンスをすること

歯医者に痛みや歯の詰め物が取れた時だけに行く方は歯を削る治療が必要となり、歯の寿命が短くしてしまいます。

歯は神経を抜いたり、人工のものを詰めたりすると予後が悪くなりやすいです。そのため歯を削る治療で歯科に行くのではなく、歯を守るためにメンテナンスで通うことが大切なのです。

2−5.かかりつけの歯科衛生士がいること

歯科衛生士は歯石を取ったり、歯の健康指導をしたりする歯を守るための国家資格をもった者です。

歯科衛生士は歯を削ったり、抜いたりすることができませんが、歯を虫歯や歯周病から守ってくれるプロフェッショナルな存在です。

8020運動を達成するためには信頼できる歯科衛生士と出会うことが大切です。

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3.残念ながら8020運動を達成できない人がやるべきこと

次の世代にいかす

虫歯や歯周病は口の中の細菌によって起こる病気です。虫歯や歯周病のリスクが高い人は子供や孫に細菌を感染させないようにする責任があります。

また、子や孫に歯のあることの大切さを伝えていただきたいです

残っている歯を大切にする 

歯をすべて失っている方はできませんが、残っている歯を大切にしていく必要があります。

現在はインプラント治療などによって残っている歯に負担をかけない治療法が普及しています。少しでも多くの歯を残し、美味しく食べられることによって生活の質が上がります。

4.歯が残ることで得られること

認知症のリスクが減る

噛む能力や効果が低くなると認知症のリスクが高くなるという研究報告があります。また、噛むことは脳の血流量を増加させるという報告もあります。

生活の質の向上につながる

自分の歯で話し、食べ、笑うことができれば楽しい人生が送れます。入れ歯になれば多くの苦労や制約があります。

入れ歯が合わない、硬いものが噛めない、入れ歯が外れるなど入れ歯になって初めて歯の大切さに気づく方も多いのです。

ぜひ、多くの方が8020運動を達成し、元気な老後を過ごせることを祈っています。

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知覚過敏症について

2016年03月28日

こんにちは。歯科医師の丸野です。今回は歯の知覚過敏症について説明をさせていただきます。

 

歯のエナメル質という表面を覆う組織が虫歯になって破壊されたり、欠けたりヒビがはいると象牙質という組織が露出します。

象牙質には象牙細管という組織があり、冷温刺激や蝕刺激に対して知覚過敏が起こります。従って、露出した象牙細管を防ぐことが知覚過敏症に対する治療法になります。

 

まずブラッシングを徹底し、常にプラークがない状態をキープすることで唾液中のカルシウム成分が沈着して再石灰化が起こり、象牙細管の閉鎖が期待できます。

知覚過敏症専用の歯磨剤やフッ素配合のジェルは効果がありますが、研磨剤を含む歯磨剤は象牙質の磨耗を促進させますのでお勧めできません。

また、歯ぎしりが原因でくさび状欠損といって歯が欠ける状態となることで知覚過敏症が起こる場合もあるため、それに対してはマウスピースの装着が有効です。

 

知覚過敏症は口腔内の温度差が大きい場合に起こるため、冬の寒い時期、歯磨きの後はぬるま湯でゆすいだり、外の冷たい空気を吸うときはマスクをしたり、外気を遮断することで対処可能です。

何か相談があればスタッフまでお声がけ下さい。

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ぶつけて歯が抜け落ちたときの対処法

2016年03月22日

こんにちは。

歯科医師の新井です。

 

今回は歯を打ったり、ぶつけたりして歯が抜け落ちたときの対処法についてお話しさせていただきます。

大人ではあまりないと思いますが、子どもは転んで前歯から転倒したり、友達や物とぶつかって前歯が抜け落ちることがあります。

歯の周りには歯根膜と呼ばれる薄い組織があり、その歯根膜が残っていると一度抜け落ちた歯でももとに戻せることがあります。

 

歯根膜は乾燥に弱く、18分乾燥した状態にあると死んでしまうといわれています。

歯が抜けてしまったら、乾燥させないようにしなければいけません。

抜けた歯の保存液として一番おすすめなのは牛乳です。

牛乳抜けた歯の歯根膜を生かしておくのに最適な身近な保存液です。

牛乳は約6時間歯根膜を生かしておくことができます。

 

 

口腔内適切な保存液が身近にない場合、口の中(唾液中)で保存して頂いた方が、乾燥させるより歯根膜が残る可能性が高くなります。

 

水道水では、歯根膜が生き残るのは1時間が限度とされ、2時間経つと死んでしまいます。

 

歯の保存ができたらすぐに歯科医院を受診するようにしてください。

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お口の中の歯の働き☆

2016年03月14日

こんにちは、藤林です。今日はお口のなかの歯の本数、形とその働きについて書かせていただきます。

永久歯は前方の3本を前歯、後方の4本を臼歯といいます。前歯から臼歯まで親知らずを除いて7本、左右上下で7×4=28本が正常な数になります。

 

前歯のうち、真ん中にある歯は中切歯と言い、鍬のような形で噛みきるのにつかわれます。

その隣の前歯は側切歯といい、中切歯と似たような役割をします。

その隣の3番目の前歯は犬歯といい、牙のような形をしています。上下の犬歯で糸を切ることもできることから、糸切り歯ともいいます。また、犬歯の根は他の歯と比べて太くて長いです。そのため、水平方向からの力に対しての抵抗力が強かったり、顎の動きをコントロールする役割をもっています。歯の寿命は、この歯が一番長いです。

 

一方、臼歯は臼のような形で、食物をすりつぶし、飲み込みやすくする役割があります。

 

ヒトは雑食動物と言われるように、肉食、草食両方にも対応できる歯の形になっています。すなわち、前歯でかみきり、奥歯ですりつぶします。そのため、顎の関節も下あごが縦方向や横方向に自由に動けるような複雑な構造になっています。

本当にヒトの体って良くできているなぁと感じますね!!

 

さて、これに対し乳歯は何本あるでしょうか?

乳前歯(3本)と乳臼歯(2本)の5本が上下左右で5×4=20本が正常な数になります。

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16周年の感謝を込めて

2016年03月7日

院長の市来です

今年の3月1日にいちき歯科の16周年を迎えます。ひとえに来院してくださった患者さんやいつも頑張ってくれているスタッフ、お世話になっている関連業者さんなどいろんな方々の支えのおかげです。
この地は私にとってなじみがあって開業したわけではなかったのですが、今では地域の方々との交流で第二の故郷となりました。

16年前から今でもずっとメンテナンス等でお越しいただいている患者様もおられ、その期待に応えるべく努力していく所存です。
16年間では街の状態も変わってまいりましたが、いちき歯科でも1フロア診療チェア3台から始まり、現在2フロア診療チェア8台になっております。スタッフ数も3人でスタートし現在19名になりました。開業当初は思いもしていなかったことです。

ちょうど今月カルテ番号が10000番に達して節目を迎えたところです。ただ、これはゴールではなく通過点ですので、これまで以上に襟を正し、医院の理念である「みんなの幸せのために」邁進してまいります
今から考えても多くの方に本当に支えられてきました。今まで勤務していただいたスタッフ一人一人の顔が目に浮かんできます。結婚や出産で巣立っていったスタッフ、開業していった川崎先生、期待に応えられず早くに止めていったスタッフたちもおりました。その誰かが欠けても今のいちき歯科は成り立ちません。すべての出来事に感謝して、さらに成長していくことで恩返しをしていきます。
これから歯科界も社会もさまざまに変化していくと思います。いちき歯科でも常にその時受けられる最良に治療を提供してまいります。いつも相手のことを考える自分が受けたい治療を、そして歯科サービスをお約束いたします。

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フッ化物配合歯磨剤について

2016年02月29日

 

 こんにちは。歯科医師の丸野です。フッ素についてご存知でしょうか。歯科領域でフッ素は歯磨き粉や洗口剤として虫歯予防に用いられています。ホームケアで用いるフッ化物の中で最も一般的なのがフッ化物配合歯磨剤です。今回は虫歯予防のためのフッ化物配合歯磨剤を効果的に用いるための注意点について説明をさせていただきます。

 

 日本においてフッ化物配合歯磨剤の市場シェアは90%と言われています。そのため歯磨き粉の中にフッ化物が含有されていないものもあります。歯磨剤の成分をチェックしてフッ化物配合がなされているかを確認することが必要です。

 

 フッ化物配合歯磨剤は1日に何回使えばよいでしょうか。アイルランドの研究結果におきましては、1日に2回以上歯を磨く方は虫歯予防効果が高い傾向にあると報告されています。そのため、1日に2回以上、歯磨きのたびにフッ化物配合歯磨剤を使い、中でも就寝前の使用が重要です。就寝中は口腔内の唾液の分泌(唾液には歯の表面を保護する成分があります)が大きく低下するため、就寝前に歯磨剤を用いてブラッシングするじょとで、歯の汚れを落とすだけでなく、歯の表面を細菌から守ることができるのです。

 

フッ化物配合歯磨剤で磨いた後のうがいについてですが、回数と水の量は少なめの方がよいです。フッ化物配合歯磨剤から微量のフッ化物が口腔内に残ることでう蝕予防効果が高まります。そのため、うがいの回数は1、2回と少なめにし、歯磨剤と洗口水が口の隅々に行き渡るようブクブクうがいをするのが良でしょう。

 

 以上がご自宅でのフッ化物を用いたホームケアの注意点です。何か疑問点がございましたらスタッフまでお声がけください。

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歯磨きのタイミングについて

2016年02月22日

こんにちは。

歯科医師の新井です。

 

今回は歯磨きのタイミングについてお話させていただきます。

みなさんもついついだらだらぐいをしていないでしょうか。食事や間食を摂る回数が多ければ多いほど、お口の中が酸性になる時間も増えてしまいます。

そうなると虫歯になるリスクが高くなります。

食後のお口の中の酸性度合いをグラフ化したものに、ステファンカーブというものがあります。ステファンカーブとは、歯垢の中のpH濃度を飲食後から測定していったものをいいます。

もともとお口の中はpH6.8でほぼ中性の状態を保っています。しかし飲食を行うと、虫歯菌の出す酸により、お口の中のpHが酸性に傾いてしまいます。

これが元の中性に戻るまでに要する時間を表した曲線がステファンカーブです。

 

つまり、回数を決めて食事をする方が良いということです!

 

また、食事を終えてすぐの状態で歯を磨くと、歯の表面が削れてしまう可能性があります。

たまに歯の着色汚れが取れるからという理由でレモン汁を歯ブラシにつけて磨く方も見かけますが、それは歯の脱灰を促進して積極的に歯を酸蝕症にしているような状態です。

 

 

また、歯磨き剤の中に研磨剤が含まれている場合や、ブラッシング圧が強い人が食後すぐに歯磨きをすると同じように、酸蝕症のリスクをあげることになります。

 

 

つまり、このステファンカーブに基づくと

『食後30分~1時間空けてから』

の歯磨きが一番ベストなタイミングとなります。

 

 

ちなみに酸性に傾きにくい飲み物はお茶や水、牛乳などです。

 

 

なるべく決まった食事の時間・回数にして、歯の再石灰化を促しましょう!

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根面う蝕について

2016年02月15日

こんにちは!藤林です。

今日は根面う蝕について書かせて頂きます。

むし歯はできる箇所によって分類することができます。

根面う蝕とは、歯の根の表面にできるむし歯のことです。

若い人なら歯の根は見えていませんから、歯茎のさがった高齢者に特有のむし歯です。

 

特徴は、自覚症状がなく進むことが多く、気づいたときには神経を抜かないといけなかったり、ときには抜歯にもなる場合もあります。(高齢者になるに従って、歯髄腔とよばれる神経の部屋が狭まりますので、鈍感になって、痛みを感じずにむし歯がすすんでしまうのです)

歯茎の下でむし歯がすすむことがあるので、発見が遅れたり、治療が難しいのもこのむし歯の特徴です。

 

普通の虫歯は小さければ再石灰化といって、自然治癒力に期待できますが、根面う蝕ではそれがないといわれています。

なんと怖いむし歯でしょうか。。

今後、この根面う蝕は増えてくるといわれています。それは、高齢者の増加とともに、比較的歯の残っている人も増えてくるため、必然的に根面う蝕になるリスクは上がってしまいます。

 

なぜ歯の根が侵されやすいのでしょうか。それは高齢者の特徴とも関係があります。

高齢者になると、唾液の分泌がすくなくなる。また、薬を飲む種類が増え、場合によって薬の副作用に唾液がでにくくなるものがある。(唾液が出るかどうかは、自浄作用に関わります)

他に身体能力の低下や、食生活の変化、歯周病、入れ歯やかぶせなどが入っている歯が多くなり磨きにくくなることがあげられます。

 

予防にはご自身のブラッシングはもちろん、定期検診とフッ素塗布、保険外のPMTCが有効です。

私も将来、この根面う蝕は手強いだろうな~と感じているので、しっかり予防していきたいと思います!

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歯周病の知識と治療法

2016年02月8日

自分自身で歯周病であると自覚している人は以外と少ないのではないでしょうか。

歯周病は歯の周りの組織が破壊されていく病気で、歯を失う原因としては第一位です。

しかし、歯周病は適切な治療を行うことで進行を抑えることが出来る病気でもあります。初期のうちに治療やメンテナンスを受けていれば、年をとっても自分の歯でおいしく食事ができる可能性が高くなります。

今回は歯周病の知識と最新の治療法をお伝えします。

歯周病の知識
1.多くの人がかかっています
日本人の成人の80%がかっている病気で、国民の最も多くの人がかかっている病気でもあります。歯周病とはプラークといわれる取り残した細菌によって歯の周りの骨が溶け、歯が揺れたり、歯肉が腫れたりして、最終的には歯が抜けてしまう病気です。初めの段階では症状が無い為に’気づかないうちに進行してしまいます。

2.体の免疫力に関係しています
若い時は免疫力が高いためにプラークが歯肉から侵入してきても、歯茎が腫れる程度(歯肉炎)です。プラークが多すぎたり年齢とともに免疫力が衰えたりするとプラークの侵入をゆるし骨まで溶けていきます。これが歯周病です。免疫力が下がった分は歯ブラシやメンテナンスで体の抵抗力を助けてあげる必要があります。

3.正しい知識を持つことが大切です
歯周病によって溶かされた骨は外科的な処置をしてもなかなか回復させることが難しいです。また、回復させることができない場合もあります。永久歯が生えてから始まる歯周病に対してどうすれば歯周病にならないか、進行を止めることができるのかの知識を持ち、実行できれば歯周病に悩まされなくて済みます。

4.ご自分の努力が必要です
歯周病はプラークとの戦いであり、みなさんは毎日、細菌と戦っています。誰かが毎日、歯を磨いてくれることはなく、自分で磨かなければ病気は進行してしまいます。一時的には歯医者で磨いてもらったり、歯石を取ったりして、良くはなりますがすぐに元に戻ってしまいます。歯がある限りこの戦いは続いて、諦めたり手を抜いたりすると負けて歯をどんどん失ってしまい最後は総入れ歯になり終わります。

5.歯周病治療の3つの柱
①歯周基本治療
歯周病の原因であるプラークを取ることをメインにしている治療です。自分でプラークを取る方法を習得したり歯石を取ってプラークを取りやすい環境にしたりすることを目指しています。基本治療ができていなければ歯周病はよくなりません。初期から中等度の進行であればこれだけで治ることもあります。
②歯周外科治療
細菌が深くまで進行し基本治療で取りきれない歯石や歯周病で溶けて凸凹になった骨の形を整えプラークコントロールがしやすい形にします。重度に進行している方に行うことが多く、初期治療終了後、必要な方のみ行います。
③メンテナンス
歯周病は治療をしたからと言って治って悪くならないわけではありません。治療後進行しないように維持していかなければいけません。メンテナンスは改善したお口の中の状態を、悪化させないように患者さんと医院のとが協力して維持していく治療です。全ての人に必要です。

歯周基本治療の実際

1.歯周病治療の90%はプラークコントロール
プラークコントロールとは歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどを使ってプラーク(歯垢)を除去することです。プラークコントロールを完璧に行うことができれば治療の90%は終了です。なぜなら歯周病の原因であるプラークは毎日お口の中に発生し、それを毎日取り続けなくては歯周病の進行を止めることはできないのです。いくら高額な治療や痛いのを我慢して治療をしても毎日のプラークコントロールができなければ全て無になってしまいます。

2.スケーリング
スケーリングとは歯の周りについた歯石を取り除くことです。歯石はプラークと唾液によって作られ、ザラザラとし軽石のように小さな穴が開いていて、細菌が繁殖しやすくなっています。歯石はできてしまうと自分の歯磨きなどでは取れないので、歯石ごと細菌を取る必要があります。歯石は超音波の振動を与えて砕いて取ったり、手でかぎとったりします。

3.歯周外科治療
深い歯周ポケッがある場合には、奥まで歯石がついてしまい直接見ることができないため、歯石を取りきることが難しくなります。全ての歯石を取るために、麻酔をして歯茎を開いて歯石が見える状態にして取り除いていく方法が歯周外科治療です。歯の根は複雑な形をしており歯石を取り残さないために行います。また、同時に歯茎の中の骨の形を整えることによって歯周ポケットを浅くする方法も行います。

4.メンテナンス
メンテナンスとは歯周病の治療が終了した後に、健康な状態を維持していくための定期的な治療のことです。メンテナンスではご自身で行っているプラークコントロールができているかチェックをして、落とし切れていないプラークや新たについてしまった歯石を機械的に洗浄します。メンテナンスを行わないとせっかく行った歯石除去や、痛い思いをして行った外科処置も報われず再発してしまいます。毎日のプラークコントロールと、定期的なメンテナンスを行わなければ口の中の健康を維持することは出来ないのです。自分の状態にあったメンテナンスの間隔で行ってください。

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歯周病と糖尿病について★

2016年02月1日

 こんにちは。歯科医師の丸野です。

糖尿病と歯周病に密接な関係があるのをご存知でしょうか。今回は歯周病と糖尿病についてのお話をさせていただきます。

 

 糖尿病と歯周病は共に代表的な生活習慣病で、主に食生活や喫煙に関与します。糖尿病は喫煙と並んで歯周病の二大危険因子であり、一方歯周病は三大合併症といわれる腎症・網膜症・神経症に次いで第6番目の糖尿病合併症でもあり、両者は密接な相互関係にあります。

慢性炎症としての歯周炎をコントロールすることで、糖尿病のコントロール状態が改善する可能性が示唆されています。

 

 歯周病関連細菌から出される内毒素が歯肉から血管内に入り込み、マクロファージからの腫瘍壊死因子の産生を促進します。その結果TNF-αの亢進が血糖値を下げる働きをもつホルモンであるインスリンをつくりにくくします。慢性炎症としての歯周炎の存在により血糖値は上昇し、糖尿病のコントロールをますます困難にし、同時に歯周炎も進行していくという悪循環に陥ります。インスリン抵抗性に対して、身体はより多くのインスリンを産生しようとしますが、高インスリン血症が長く続くと、インスリン産生細胞である膵β細胞が疲労困憊し、末期の糖尿病となります。

 また、慢性炎症としての歯周炎に対する適切な治療により、糖尿病のコントロール状態をあらわず糖化ヘモグロビン(HbA1C)の改善がみられることが明らかになってきました。その機序として、歯周病治療によって歯周炎に起因するTNF-α産生量が低下するため、インスリン抵抗性が改善し血糖コントロールが好転すると考えられています。

 以上のように、糖尿病管理の一環として、歯周病を厳格に管理することが重要です。また歯周病も慢性疾患であり、完治がほぼ望めない疾患であるため、継続管理がより大切となります。

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